
わたしは普段、YouTubeなどを見て勉強をしたりしているのですが、
皆さん「Sell in MAY(5月に株を売れ)」とか「6月だから下がりそう」とかおっしゃってて、為替には季節ごと・月ごとなどの傾向があるらしく、どんな傾向があるのか知りたくなって調べてみました!

知りたくなったら興味しんしんしん!
月ごとの為替の傾向(アノマリー)
為替は、毎年同じ時期に同じような傾向がみられる場合があります。
このような季節ごと・月ごとの傾向を「アノマリー」と言います。
では、月ごとの「アノマリー」をまとめてみました!
1月の傾向
1月は、「1月効果」というアノマリーがあります。
1月の相場のトレンドがその年1年のトレンドになりやすいというアノマリーです。
つまり、1月の相場が下がればその年は下降トレンドとなり、1月の相場が上がればその年は上昇トレンドになるということです。
また、1月の相場がその年の最高値・最安値になる場合が多く、これも1月のアノマリーです。
1月の動きで、その年の方向性を決めやすいとされています。
1月まとめ
- 1月、相場が下がればその1年下降トレンド、上がればその1年上昇トレンド
- 1月がその年の最高値・最安値になりやすい
2月の傾向
2月は、1月の反動で戻りが入りやすい月になります。
2月には、米国債の償還や利払い、ヘッジファンドの決算に関連した45日ルールなどにより、ポジション解消に向けた動きが影響します。



償還とは、
債券は、満期になると債券の保有者に額面金額が払い戻されます。この払い戻すことを償還といいます。



ヘッジファンドとは、
一般的な投資信託(ファンド)と違い、機関投資家や富裕層から私募により資金を集めるファンドのこと。



45日ルールとは、
ヘッジファンドの投資家は解約申請を決算日の45日前までに行わなければならないというルールです。
受け取ったドルを円に換える動きなどにより、ドル円に関しては下落する可能性が高く、特に月初めから月末にかけての下落傾向が伺えます。
また、「節分天井、彼岸底」という言葉がありましたが、ここ20年では目立った傾向はありません。どうやら古いアノマリーのようで、今はむしろ、1月の動きを引き継ぐことが多いようです。
「節分天井、彼岸底」は、もともと米(こめ)相場で使われていた相場格言で、言葉のとおり2月の節分頃に天井を付けて、3月末の彼岸ごろに底値になるというアノマリーです。
2月まとめ
- 2月、ドル円に関しては下落する可能性が高い
- 「節分天井、彼岸底」のアノマリーは最近は伺えない
3月の傾向
日本企業は、3月決算の会社が多く、決算に向け外貨を円に換えるレパトリエーション(Repatriation)が働きます。
投資資産の手仕舞いや、輸出企業のドル売り・円買いが出やすくなります。



レパトリエーション(Repatriation)とは、
もともと「本国へ帰還する」という意味の単語ですが、金融分野では「海外にある資金を自国内に戻す」という意味。
輸出企業は、自国で作った商品の代金はドルなどの外貨で受け取るので、そのドルを日本円に換える動きがあるんです。
つまり、ドルを売るのでドル円は下落します。
3月まとめ
- 3月は決算などにより、下落する可能性が高い
4月の傾向
4月は、新年度なので新たな投資が生まれやすい月と言えます。
また、ゴールデンウィークで海外旅行用のドル需要もあります。つまり、ドルが買われて円が売られる傾向にあるためにドル円は上昇しやすい月になります。
一方、ドル高円安になりますので、海外旅行には不利な月と言えます。
日本株も、「4月効果」「新年度相場」と呼ばれ、4月に上昇しやすいと言われています。
4月まとめ
- 4月は新年度になり新たな投資が生まれやすいため、上昇しやすい
- GWの旅行などによりドル需要があるので、上昇しやすい
5月の傾向
5月で世界的に有名なのは「Sell in May(5月に株を売れ)」です。主に株の話ですが、為替にも連動しているので重要なアノマリーになります。
「Sell in May」を詳しく言うと、「Sell in May and go away; don’t come back until St Leger day」の略で「5月には全てを売って、Leger day(9月第2土曜日)まで相場に戻って来るな」という意味です。



St Leger day(セント・レジャー・デー)は、9月の第2土曜日に行われる競馬の大レースのことです。
株が売られて安くなるとドル安・円高圧力が強まります。この理由の一つが、米ヘッジファンドの「45日ルール」です。



「ヘッジファンド」と「45日ルール」については、2月のアノマリーを見てね!
米ヘッジファンドは6月と12月決算が多くなっており、6月決算の45日前となる5月に「45日ルール」が高まるようです。
また、GWの旅行から戻った旅行客がドルを円に戻すことも影響しているかもしれません。
5月まとめ
- 「Sell in May(5月に株を売れ)」にともない、ドル円も下落しやすい
- ヘッジファンドの45日ルールにより、ドルが売られやすい。
- その年の安値をつける可能性が高い月
6月の傾向
6月は、3月決算企業の第1四半期決算です。3月ほどではありませんが決算期の傾向がみられ、下落しやすい月になります。
この月も1月や5月と同様、その年の高値あるいは安値をつける可能性が高い月と言われています。
また、米金利には6月以降の年央にその年の天底をつける習性があるので気をつけてください。
6月まとめ
- 第1四半期決算のため、下落しやすい
- その年の安値をつける可能性が高い月
- 米金利は、6月以降の年央にその年の天底をつける習性がある
7月の傾向
7月は、上がるアノマリーと下がるアノマリーが両方存在します。
上がるアノマリーは「サマーラリー」と言われ、7月から9月の夏場にかけ株価が上昇する株価アノマリーです。
米国では、バカンスに入る前にボーナスで株を購入する投資家が多いことから、7月4日の独立記念日から9月第1月曜日のレイバー・デーまで、株が上昇しやすいと言われています。米国株が買われて上昇すれば、日本株も上昇する傾向にあり、ドル高円安圧力が働きます。
一方、下がるアノマリーは「夏枯れ相場」と言われ、海外では夏季休暇、日本ではお盆休みなどの休みが多く、市場に参加する投資家が激減し、株価の動きが鈍くなり閑散相場となりやすいアノマリーです。
この時期は、ちょっとした材料で上げ下げが激しくなりやすく、リスクが高くなります
7月まとめ
- 「サマーラリー」と「夏枯れ相場」の相反するアノマリーがある
- ちょっとした材料で上げ下げが激しい、リスクを伴う
8月の傾向
8月は、7月に引き続きサマーバケーションを取る機関投資家が多いため、取引量が減少します。
8月も「夏枯れ相場」と言われ、取引量が減っている2月と8月には、米国では国債大量償還の月を迎えます。受け取った利息や償還した米国国債を日本円に換える動きがあるので、ドル安円高圧力になります。
8月まとめ
- 引き続き「夏枯れ相場」で取引量が減る
- 米国債の大量償還の月なので、下落圧力が強い
9月の傾向
9月は、3月決算企業の中間決算になります。3月ほどではありませんが、その他四半期に比べるとレパトリエーションの動きが大きくなり、ドル円は下落傾向になります。



レパトリエーションについては、3月のアノマニーを見てね!
9月まとめ
- 3月決算企業の中間決算となり、下落しやすい
10月の傾向
10月は、9月の流れを引きずりやすく、下落しやすい月と言われています。米国では「10月効果」と呼ばれるアノマリーがあり、株価が底を付けやすく、時に大暴落する可能性もゼロではありません。
また、「稲穂相場」と言って、稲が頭を下げる姿に例えられ、暴落が発生しやすい月と言われていますので注意が必要です。ブラックマンデーなどの過去の大暴落はほとんど10月に集中しています。
20年間の傾向としては、1年で最も円高になっています。
逆を言えば、絶好の買い場となります。
「ハロウィン効果」とも呼ばれ、米国で「10月に買い4月に売れ」と格言にされているアノマリーです。



実際のハロウィンは、10月31日です。
10月はファンドの決算期にあたり、多くの機関投資家が株を売却するため9から10月は株値が下落しやすくなるため、その下落を狙って買うといいでしょう。
10月まとめ
- 「10月効果」「稲穂相場」で大暴落の危険性が
- 逆に、絶好の買い場でもある
11月の傾向
11月は、10月までの流れが終わって、一度ポジションを整理しようとする年末に向けての動きが始まります。5月同様に、12月決算ヘッジファンドの「45日ルール」による取引も起こります。
9月から継続した下落トレンドがこの月でポジション調整により終焉を向かえる傾向にあります。
そのため相場は、月末にかけて反転する可能性も高くなります。
11月まとめ
- 夏相場のポジション調整により反発する可能性が!
- 11月も買い場
12月の傾向
12月は荒れる相場になりやすいと言われています。欧米では長期のクリスマス休暇を取るので、市場参加者が減少し閑散とします。
また、米国では12月決算企業が多くなるため、休暇前に利益を確定させて1年が終わったと考える投資家が多いようです。閑散とした市場に手仕舞いの動きが入るので、市場は荒れやすくなります。
ドル円でいうと、米国の投資家は円などの外貨を売って米ドルを買いますので、ドル高要因となります。
12月まとめ
- 12月は荒れる相場になりやすい
- 株は下がりやすく、ドル円はドル高になる傾向が
その他アノマリー
調べてたら、日ごとのアノマリー、その時々のアノマリー、面白いアノマリーもありましたので、載せておきます。
ゴトー日(5・10日)
数字の5と10が付く日をゴトー日と呼びます。日本の輸入企業などドル決済が必要な企業はこのゴトー日に円を売って、ドルを購入します。



輸入企業は、ドルで商品を買うので、円をドルに換えておく必要があります。ドルを買うのでドル高になります。
その動きが出るのが、東京時間仲値(9時55分)にかけてドル円が上昇しやすくなります。
ゴトー日は、企業が海外に支払いをする日に当たるため、ドルの需要が多く、朝方から仲値にかけてドル円が上昇しやすくなり、投資家も便乗買いすることでさらに上昇する傾向が強いです。
しかし、10時を過ぎれば市場が落ち着き、下落しやすくなります。
月曜日の株価は高い
週末は手じまいで売りが入りやすく、特に引け直前にカクンと下がる傾向があります。逆に、月曜は手じまいの買い戻しが入りやすいので上がりやすいと言われています。
水曜日スワップ
マーケットが休みとなる土日分の金利が、毎週水曜日にまとめてスワップ金利として付託されるため、金利の低い円を売って高金利通貨が買われる傾向があります。
2日から取引が始まる月は相場が荒れる?
「2日新甫」と言うアノマニーで、2日から取引が始まる月は相場が荒れると言われています。合理的な説明はつきませんがそう言われています。
実際、過去20年間の取引で、果たして「2日新甫」は本当に起こるのかを実際検証したサイトがあったので、紹介します。
詳しくは>>二日新甫、三日新甫は本当に相場が荒れるのか?
その検証結果は、取引初日に関しては「2日新甫当日は荒れない、3日新甫当日に下げ、4日新甫当日に上げる」、月間騰落率については「3日新甫の月は下げる」という結果に!



「3日新甫」が相場が荒れるということですね
検証結果は、「3月新甫」は荒れるという結果になりましたが、なぜそうなるのかという説明は見つからないそうです。
米国の大統領選挙
米国の大統領選挙がある年はドル高に進みやすい傾向があります。大統領選挙とドルの値動きは関係ありませんが、過去の統計ではドル高、株高に進む傾向があるようです。
また、その時の大統領の支持率が低い場合は、次の大統領への期待感からドル買いになりやすいといわれています。
特に、NYダウとなると整合性が高く、6月から12月末までは1950年以来、14回のうち13回がプラスで終わるという結果となっています。
惑星の動きに連動する
占星術の考え方に基づいたアノマリーで、「水星逆行」には相場が荒れやすく、「新月・満月」は相場の転換点となりやすい傾向があります。
リーマンショックの後の株価の天井圏、底値圏が驚くほど一致していることから、2009年ごろから特に有名になっています。
辰巳天井、午尻下がり
辰巳(たつみ)天井、午尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑つまづき、寅千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる。
という干支に当てはめた日本独自の相場格言です。
辰巳天井というように、「辰年」「巳年」は他の年よりも株価が高い上昇率を記録し、午尻下がりのとおり、「午年」は下落する傾向が高くなってしまうようです。
ちなみに、「リーマンショック」の年は繁盛の「子年」でした。そして、前回の「午年」だった2002年はITバブル崩壊直後でした。
ジブリの呪い
日本人個人投資家の間で非常に有名なのが「ジブリの呪い」です。有名になり始めたのはつい最近の2013年からです。
2010年以降にジブリ映画と雇用統計が重なったケースは11回あり、そのうち下落になった回数はなんと10回という恐ろしいほどの確率をほこっています。
毎月、第一金曜日に発表される米国雇用統計の日に、ジブリの映画が放映されると暴落するというアノマリーです。
おまけ
毎月のアノマリー、季節のイベントに沿ったアノマリー、いろんなアノマリーがあって面白いですね!
統計学に基づいたものだと思いますが、FXのテクニカルも統計学に基づいたものですので、「統計学」って侮れません。



こんな本もあった。読んでみるのもいいかも。
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